飯ごう炊さんを成功させるために覚えておきたい点

あそボラKIDSではさまざまな野外で行う企画を用意しています。その中でも、「飯ごう炊さん
とカレー作りはやはりアウトドアの王道、人気の企画です。

カレー作りもいろいろな工程や技があって解説したいところですが、ここでは日常では味わえない「飯ごう炊さん」を成功させるコツについて語っていきます。

1.そもそも「飯ごう炊さん」ってなに?

1-1.そもそも「飯ごうとは?

「飯ごう」というのは屋外で直火を利用してご飯を炊くための道具です。もともとの歴史はここでは特に重要ではありません。アウトドアでご飯を炊くための便利な道具=飯ごうと理解してもらえばそれだけでOKです。

飯ごうはご飯を炊くために作られた道具なので、単なる容器ではなく色々な工夫があります。まず外蓋と内蓋はお米を測る道具としても使え、外蓋は3合、内蓋は2合を測ることができます。お米を研ぐときも蓋をして振れば済みます。

一方不便なこともあります。家でご飯を炊くなら炊飯器のスイッチを入れるだけですが、飯ごうを使う場合は火が必要です。アウトドア用のガスバーナーなどもありますが、あそボラKIDSではあえて巻き割りをして火を起こす体験もします。便利さよりも体験を共有することが私たちの目的です。

1-2.炊飯じゃなくて炊爨(すいさん)

ご飯を炊くんだから「飯ごう炊飯」じゃないの? という人も多いですが、私たちは「飯ごう炊爨(すいさん)」と呼んでいます。これは呼び名だけのことで、美味しくご飯を炊くには特に関係ないことなのですが、呼び方が統一されていないと違和感があるので、ここでは「炊さん」で統一します。

2.実際に炊いてみよう!

2-1.お米を測る

まず、お米を測ります。上でも書きましたが内蓋にすりきりでお米を入れれば2合、外蓋なら3合です。お米の量はどのくらい食べるかに拠りますが、1合はご飯茶わんで約2杯分です。小さいお子さまならご飯茶わん1杯で十分、大きいお子さまなら2杯分くらいは行けるでしょう。足りないのは寂しいですが余るほど作っても保温ジャーや冷蔵庫が無いのがアウトドアですから、そこはよく考えてみましょう。

2-2.お米を研いで水に浸す

お米のとぎ方もさまざまにあるのでここではあまり細かく書きませんが、まず水に浸してその水を捨てます。それから再度水を入れ、飯ごうに蓋をして上下に振ると研ぐことができます。3~4回研ぎ、2回程度すすぐくらいで良いでしょう。

それが終わったらお米と同量から少し多めの水を入れます。この水の量は多くの飯ごうでは内側に目盛りがあるのでそれを確認してください。

水の量を正しく測ったら蓋をします。この時内蓋はしないので気を付けてください。それから30~40分放置します。この放置している間にお米に水が浸み込んで柔らかくおいしくなります。

2-3.最初は強火にかける

上記の時間がたったらさっそく火に掛けましょう。この時最初は強火で行くのがコツです。中が温まり沸騰して水が吹きこぼれたら弱火にします。

2-4.火から上げるタイミング

弱火にした時、飯ごうの蓋に箸の先を充てるなどして中が沸騰している気配(振動)が伝わってくることを確認してください。弱火にして暫くすると、この振動が無くなります。それが炊きあがりの合図です。

2-5.蒸らす

蒸らしというのは非常に重要な作業です。炊き上がりにそのまま食べようとすると、お米の芯が残っていること、飯ごうの上側と底側で柔らかさが違うことなどから美味しさが万全ではありません。

蒸らしは飯ごうを逆さにして行います。飯ごうは素手で触るとヤケドするので、皮手袋などを付けてヤケドに注意して逆さにしてください。

蒸らしは15~30分程度行えば十分です。これでようやく美味しいごはんが出来上がりました。

3.実際に食べてみよう!

蒸らし終わったらさっそく食べてみましょう。あそボラKIDSでは飯ごう炊さんと並行してカレー作りをしていますから、おかずを考える必要はありません。

実際に食べてみると、何度も経験しているボランティアの人でも、その日毎に固さや甘みが違うことがわかります。もちろんお米も水も毎回違いますし、厳密には気温なども影響しているでしょう。とはいえどの日も「美味しい」ことに変わりはありません。それはみんなで頑張って作ったからこそ味わえるものなのです。

4.この楽しい体験を共有しませんか?

いかがですか? 文字だけでは伝わりにくい部分もありますが、何度やっても美味しいのがアウトドアの調理です。「蒸らしがもう一歩だった
、「ちょっと焦げちゃった
、など日によって変わりがあるのもまた楽しみです。「今度はもっとこうしよう!」「次回こそパーフェクトに炊くぞ!」そう思いながらわいわい食べるご飯はやはり最高です。

こんな楽しい体験をしてみたい、という方はあそボラKIDSまでお気軽にご連絡ください。子どもと一緒に活動をするボランティアを随時受け付けています。